皆さんは一年間にどのくらい車を運転しているでしょうか?
運転の機会は多くてもは近所への移動がほとんどだったり。逆に普段からそんなに運転する機会はないのに、いざ運転するとなると長距離の走行ばかりだったり。人それぞれ生活環境によって様々かと思います。
そんな人それぞれ千差万別な車の使い方も、「一年間の走行距離」という共通の物差しでおおよその車の使用度を測ることができます。
そして多くの自動車保険ではその一年間の走行距離、年間走行距離によって保険料金に違いがでてきます。
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年間走行距離による保険料の違い
昨今、ダイレクト型自動車保険ではリスク細分化によって、様々な条件や車の使用状況により保険料金が変動します。
細分化の程度は各保険会社によって異なるのですが、年間走行距離もその細分化項目として設定されていることがほとんどです。
大抵の場合、3~8つほどの「走行距離区分」が設けられています。
その中から保険契約時に、ご自身の年間走行距離を過去の実績や予測から決定して該当する距離区分を選択します。選択した距離区分に応じて各社で決められた保険料金が適用されます。
基本的には短い距離区分であればある程、保険料金は割り引きになり安くなります。
年間走行距離区分は保険会社により異なる
この年間の走行距離区分は各保険会社によって区分の数やその設定内容が異なります。
それでは一体どの様な違いがあるのでしょうか?
以下に、主だった保険会社の走行距離区分をまとめてみました。
各保険会社での走行距離区分表 | ||
保険会社 | 区分数 | 区分内容 |
アクサダイレクト | 3 | ①5,000km未満 ②5,000km以上10,000km未満 ③10,000km以上 |
イーデザイン損保 | 6 | ①3,000km以下 ②3,000km超~5,000km以下 ③5,000km超~10,000km以下 ④10,000km超~15,000km以下 ⑤15,000km超~20,000km以下 ⑥20,000km超 |
SBI損保 | 4 | ①5,000km以下 ②5,000km超~10,000km以下 ③10,000km超~15,000km以下 ④15,000km超 |
おとなの自動車保険 (セゾン自動車保険) |
5 | ①3,000km以下 ②3,000km超~5,000km以下 ③5,000km超~10,000km以下 ④10,000km超~15,000km以下 ⑤15,000km超 |
ソニー損保 | 7 | ①3,000km以下 ②5,000km以下 ③7,000km以下 ④9,000km以下 ⑤11,000km以下 ⑥16,000km以下 ⑦無制限(16,001km以上) |
チューリッヒ保険 | 5 | ①3,000km以下 ②3,000km超~5,000km以下 ③5,000km超~10,000km以下 ④10,000km超~15,000km以下 ⑤15,000km超 |
三井ダイレクト損保 | 8 | ①3,000km以下 ②3,000km超~5,000km以下 ③5,000km超~7,000km以下 ④7,000km超~10,000km以下 ⑤10,000km超~12,000km以下 ⑥12,000km超~15,000km以下 ⑦15,000km超~20,000km以下 ⑧20,000km超 |
※ 2020年7月時点での状況になります。
各保険会社によってその区分設定は全く異なっているのが分かります。それは会社ごとの考え方やスタンスの違いともとれますね。
距離区分数ではアクサダイレクトが最も区分数が少なく3つ、最も多いのが三井ダイレクト損保で実に8つの区分に別れています。
最長区分も1,0000km以上からの「アクサダイレクト」、20,000km超えとなっている「イーデザイン損保」や「三井ダイレクト損保」と5,000Km程の違いがあります。
これら区分は、年々細分化が進んでいる傾向にあります。
距離区分による保険料金の違い
では走行距離区分によって、実際にどの程度保険料金が変わってくるのかを見みましょう。
例として、下記を見積もり条件とし、「アクサダイレクト」と「チューリッヒ保険」、「ソニー損保」にて各走行距離区分での保険料金を算出してみました。
●走行距離区分ごとの保険料金見積もり結果
保険見積もり条件 | |||
---|---|---|---|
車種: | スバル フォレスター | 対人・対物賠償保険: | 無制限 |
ノンフリート等級: | 13等級 | 年齢: | 37歳 |
運転免許証: | ゴールド免許 | 車両保険: | 車対車+A |
年齢条件: | 30歳以上 | 運転者限定: | 本人のみ |
アクサダイレクト | |||
走行距離区分 | 年間保険料 | 最短区分との差額 | 増加率 |
5,000km未満 | 28,390 | – | – |
5,000km以上10,000km未満 | 32,930 | +4,540 | 約16%増 |
10,000km以上 | 41,080 | +12,690 | 約45%増 |
チューリッヒ保険 | |||
走行距離区分 | 年間保険料 | 最短区分との差額 | 増加率 |
3,000km以下 | 24,890 | – | – |
3,000km超~5,000km以下 | 24,940 | +50 | 約0%増 |
5,000km超~10,000km以下 | 27,930 | +3,040 | 約12%増 |
10,000km超~15,000km以下 | 33,790 | +8,900 | 約36%増 |
15,000km超 | 38,980 | +14,090 | 約57%増 |
ソニー損保 | |||
走行距離区分 | 年間保険料 | 最短区分との差額 | 増加率 |
3,000km以下 | 27,250 | – | – |
5,000km以下 | 29,270 | +2,020 | 約7%増 |
7,000km以下 | 31,010 | +3,760 | 約14%増 |
9,000km以下 | 33,890 | +6,640 | 約24%増 |
11,000km以下 | 35,710 | +8,460 | 約31%増 |
16,000km以下 | 42,290 | +15,040 | 約55%増 |
無制限(16,001km以上) | 44,570 | +17,320 | 約64%増 |
如何でしょうか、それなりに金額差がありますね。特に1,0000kmを超えた辺りから一気に保険料金が上がっているのが分かります。
また当初、最長区分での保険料金増加は各社それほど差はないだろうと予想していたのですが、実際にはより細分化している「チューリッヒ保険」、「ソニー損保」の最長区分料金増加は思っていたよりも高額になりました。
様々な条件、各社ごと違いもあるので一概には言えないと思いますが、今回の結果だけをみるとリスク細分化している保険は短距離使用者が優遇される一方で、長距離使用者には不利な設定となっている様に思います。
年間走行距離が短い場合については、距離区分をより細かく細分化している保険会社を選ぶことで、さらに安い距離区分に当てはめることができ、効果的に保険料を抑えることができそうです。
しかし、そうではない場合、特に最長区分に属するような場合については、保険料金の増加率も高く年間走行距離のリスク細分化は保険料金増加の要因となっています。
年間走行距離で保険料金が異なる理由
年間の走行距離の違いでなぜ保険料金が変わるのでしょうか?
それは言うまでもなく、走行距離の違いによる事故リスクの変化によるものです。
一般的な考え方として、
「走行距離が長い=事故に遭う可能性が高い」
となっており、年間の走行距離が多い方が事故リスクがより高いと判断されます。
あくまでも個人的な意見ですが、
実際にはチョコチョコ短い距離を頻繁に運転する方と、運転頻度は少なくてもたまに長距離を運転する方でどれだけ事故リスクが変わるのかは微妙な感じがします。
しかし、現実にこの考え方をもとにリスクと保険料金の算出がされているのが現状であり、走行距離の短い方には断然有利ですが、逆に距離がかさむ方にはツラい状況となっています。
前述の「走行距離区分ごとの保険料金見積もり結果」からも走行距離の長い人は高リスク故に、それ相応の費用を負担して貰うといった保険会社の意図が読めます。
走行距離が長いと高くなる理屈は分かったけど。
どうしても走行距離が伸びてしまう生活環境では保険料金も高くなるので
金銭的に厳しいわ。どうにかならないのかしら?
年間走行距離が多い人はどうすればよいか?
それでは年間走行距離の多い方たちは保険料金が高くなるばかりで救いはないのでしょうか?
いいえ、そうではありません。そういった方たちも保険料金を抑える方法はあります。
それは、走行距離区分を採用していない自動車保険を契約することです。
最近ではリスク細分化による保険料金算出の潮流により、これまで年間走行距離を設定していなかった保険会社でも距離区分の導入が進んでいます。
しかしながら、現在でも年間走行距離による区別を行っていない自動車保険は存在します。
例えば、代理店型自動車保険であったり、ダイレクト型でもセコム損保などは距離区分を設けていないので、年間走行距離による保険料金の変動はありません。
走行距離が多くても、そういった自動車保険で契約することで保険料を抑えることができる可能性があります。
これらの自動車保険は距離をあまり走らない方だと積極的に選ぶ理由はありませんが、逆に長距離を走る方の場合には選択候補として検討の余地が十分にありそうです。
下表に年間走行距離区分を導入していない保険会社と、前述同条件での保険費用の見積もり金額例を記載しておきます。
走行距離区分のない保険会社と保険料 | ||
形態 | 保険会社 | 同条件の保険料金 |
代理店型 | AIG保険 | – |
東京海上日動火災保険 | – | |
ダイレクト型 | 損保ジャパン日本興亜 | 43,440 |
セコム損保 | 27,830 |
年間走行距離が16000km超として比べてみると、「損保ジャパン日本興亜」はそれほど変わりはなく、「セコム損保」では逆に安い結果となっています。
もちろん会社によってサービス内容や補償内容も違いはあるので、単純に「安い=良い」とはなりませんが、例え長距離ユーザであっても保険料金を安く抑える事ができる可能性は示していると思います。
年間走行距離の長い方は、こういった保険会社でも見積もりを取得して比較してみると良いでしょう。
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自動車保険は契約条件によってもトータルの保険料金は変わってきます。
また、自動車保険は費用面だけでなく、補償内容やサービスの充実度、事故対応力などとの兼ね合いも含め、ご自身の考えに沿った保険会社を選ばれるのが一番です。
そのためには複数の保険会社をさまざまな角度から比較、検討する事をお勧めします。
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年間走行距離と保険料金を簡単に言えば!
基本的には、年間走行距離は短ければ短いほど保険料は安くなり、長ければ長いほど高くなります。
走行距離には各保険会社で独自の区分を設けて、その区分によって保険料金の増減を決めています。走行距離の短い方は、細かく距離区分を分けている保険が金額的には有利になります。
一方、走行距離の長い方は、年間走行距離を設けていない自動車保険で契約するほうが安くなる可能性が高くなります。
ただ、距離区分ごとの金額の増減率は会社ごとに違いがあり、各社のサービス・補償内容も異なるため、まずは候補の保険会社複数から見積もりを取得して総合的に判断することをお薦めします。
それでは、自動車保険の年間走行距離と保険料金について簡単にいえば!
今回のテーマを簡単に言えば!
走行距離区分が導入された保険では、車の年間走行距離が短いほど保険料金は安く、長いほど高くなる。
走行距離の短い方は、距離区分をより細分化している保険でより安い条件となる可能が高い。
走行距離の長い方は、走行距離区分のない保険を選ぶことで保険料を抑えることができる場合がある。
距離区分での料金変動額は保険会社ごとに異なる。必ず複数候補で見積もりの比較をしましょう。
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